コーネル大学・ホテルスクール留学記

コーネル大学ホテル経営大学院で学んだ記録です。

日記(2016年5月渡米)

 2016年の5月から、コーネル大学ホテル経営大学院に留学することになった。コーネルのホテル経営学は、ホテル経営学という極めて狭い分野の中で世界最高峰として知られている。僕が留学するのは、5月から1年間で修士課程を取得するMaster of Management in Hospitalityというコース。学生は、毎年40名〜50名で、日本からの留学生は毎年1人〜2人。今年は日本人は僕1人である。その他の国からの留学生は、中国が一番多くて今年は10人。残り留学生はインド、シンガポールからなど。それ以外はアメリカ人。
 留学に向け、3月くらいから毎週末荷物をパッキングしたり、アメリカに持っているべき物を揃えたり、寿司教室に通う、日本食を食べるなど、日本でしかできないことをやり貯めてきた。このように留学準備に追われていたにも関わらず、僕の場合は出発前にひどいホームシックに襲われていた。以前から夢だった海外大学への留学が20代の最後にやっと実現しようとしているにも関わらず、しばらく日本に帰れないことからくる不安の方が大きくなり、頭の中に浮かぶのは憧れの米国での学生生活のことよりも、日本でやりのことしたこと、しばらく会うことができない日本の家族や友人、慣れ親しんだ東京の街のことばかり考えていた。
 それでも、職場や友人が開催してくれた壮行会に出たり、暫く会えない親族に会いに郷里に戻ったりしているうちに出発の日がやってきて、気付けば成田空港からシカゴ行きANAに乗り込んでいた。


 コーネル大学があるイサカの街までは、成田からシカゴ・オヘア、シラキュース空港と乗り継ぎ、シラキュースからミニバンに一時間ほど乗っていく。イサカは、住民の大半が大学関係者で成り立っている典型的なアメリカの学生街で、カユガ湖という湖畔に位置し至る所に滝がある風光明媚な街、冬は寒いけれど勉強するにはいいところ、というのが日本にいる間に前に聞いていた情報だ。アメリカでの大学生活に無条件の憧れを抱いていた僕としては、「典型的なアメリカの大学街」という響きに強く惹かれていた。
 僕がシラキュース空港からイサカに到着したのは16時ころ。さっそく、予約していたタクシー会社に電話し、ピックアプを依頼した。ただっ広い空港の車寄せに遅れること30分、ようやくやってきたのは、黒人のファンキーなドライバーが運転する今にも壊れそうなミニバンアムトラックの駅で中国人の同乗者を乗せて、ようやくイサカに向けて出発した。ドライバーは、僕と中国人に「兄弟か?」と聞いてきた。
 英語に関しては、留学以前に国際関係の仕事をしていたし、TOEFLの点数も日本人としては高かったので、それなりに自信を持っていた。しかし、実際に外国生活をするのは初めてだし、特に日常会話は本当に通じるのか自信が持てなかった。
 「兄弟に見える?」と運転手に答えると、運転手は「いや、違うのは知ってるよ。ははは。」と答えて、自分の話をしはじめた。ドライバーはニューヨーク出身で3年前から自然に近い生活を求めてイサカに引っ越してきたという。いまにもラップを口ずさみはじめそうなファンキーな格好をしているのに意外だ。ただ、それ以上にショックだったのは、彼の喋っていることの半分以上がまるで英語でない別の言語のように聞こえてくることである。何か気の利いたことでも言おうと思ったが、やっぱり自分の英語が通じなかったらどうしようと思い、serisouly? wow! Okay…など適当に相槌を打った。
 中国人も、僕に「学生か」「コーネルでは何を勉強するのか」など質問してきた。彼は、彼の英語からすると恐らく中国系アメリカ人。それでも、なぜかドライバーより親近感が持てるのは不思議だ。


 一時間ほどで到着したイサカは、古くて薄汚れた建物、むわっとする草のような異臭、昼間から酒を呷っている若い学部生、そしてそこかしこにある急峻な坂道が印象的だった。静かな湖畔の学生街で静かだけどチャレンジングな学問漬けの生活を想像していた僕は正直面食らってしまった。後から思うと、昼間から学生が酒を呷っているのは冬が終わって夏休みを迎えたからで、この時期は春学期の終了を祝う学生が街に溢れる特別な時期だからだった。
 ドライバーは汚い煉瓦造りの建物の前で車を停め、「ここがお前が行き先をリクエストした住所だ。」という。住所を再度確認したが間違えはない。ANAの赴任パックで持ってきたヤマトの段ボール3つをミニバンから降ろし、運転手に礼を言うと、運転手はやはりファンキーにウインクして親指を立てた。
 僕が住むアパートは中国人クラスメイト2人とのルームシェア。全部で4部屋の小さなアパートだけど、そのうちの3部屋はホテルスクールのクラスメイトが借りている。ルームシェアをした方が語学の上達も早いだろうと、facebookで日本にいるうちに決めてしまった。家賃は1人当たり月850$と東京と比べても決して安くはないけど、これでもイサカの他の物件よりはだいぶ安い。
 でも、実際にアパートに足をアパートの中は驚くほど汚くて古い。ところどころで塗装が剥げているし、そもそも埃をかぶってるところが多い。ここで一年過ごすのかあ。。今から何とか別のところに移れないかなあ。。
 しばらく荷物を整理していると、ルームメイトがウォールマートに連れて行ってくれるという。ルームメイトの名前はRとG。Rは学部はネバダ大学ラスベガス校で、hospitality managementを勉強した後、スターウッドに就職した、Gは中国の大学の学部で2年間hospitalityを勉強した後、オクラホマ州立大学に編入して、そこで卒業。しばらくホスピタリティ関係のコンサルティング会社で働いた後に、不動産金融の方向にキャリアチェンジするために、そしてアメリカで就職するためにコーネルに来たとそれぞれ語っていた。
 ウォールマートは噂には聞いていたがとにかく大きい。大きな1棟建てのただっぴろいハコの中に、これでもかと商品が並んでいる。天井も高く、入り口から向こうが見渡せる。アメリカには仕事でよく来てたけれど、仕事ではNYやDCなどの東部の大都市が中心だった。それと比べてイサカの人口はたった3万人しかいないのに、こんな大きなショッピングモールがあるとは。ウォルマートでは、部屋のカーテンとミネラル・ウォーターを買った。
 その日はフライトの疲れと時差で、部屋に帰ってすぐベットに向かい、そのまま泥のように眠った。

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坂の多いイサカの下宿街。


 到着の翌日からはオリエンテーションに参加。ルームメイトの中国人と一緒にスーツで教室に向かう。実は、プログラムのオリエンテーションは既に3日前から始まっていたのだが、仕事の都合で今日から参加する。教室までの道すがらは、今にも転げ落ちそうな急な坂を登り、大学の門、カレッジタウンの学生街、キャンパスへ向かう林の中の歩行者通路、キャンパスを流れる滝、構内の緑緑とした芝生など、新しい景色に目移りしそう。

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大学構内を流れる滝。

 教室に入ると、教壇を中心にすり鉢状になっている教室に多くのクラスメイトが腰かけていた。僕はルームメイトと一緒に3人掛けの席に座る。間もなく、ハゲた担当者らしき人が登場して、「今日遅れて参加した人がいます。」「出身はどこですか?」「東京からイサカまで何時間かかった?」「今まで何をしていた?」など僕に質問し、皆に僕を紹介した。
 しばらく、Student Organizationの紹介などの時間があり、休憩時間に。教室の外にコーヒーや軽食が用意されていて、めいめいに軽食を取りながら新しいクラスメートと話をする。既に何日か一緒に過ごしているからだろうか、クラスメートは幾つかのグループに分かれておしゃべりをしていて、中国人の男子、中国人の女子、アメリカ人のグループ幾つか、というのが大きなグループだ。ルームメイト以外に知り合いはいないし、中国人グループは中国語でしゃべっているし、アメリカ人グループにいきなり入っておしゃべりをする自信もなかったので手持ち無沙汰になってしまった。とりあえず、軽食のピザに熱中しているふりをしていると、インド人の男性が話しかけてきた。自己紹介をして「何か困ったことはない?」と聞いてきてくれたが、彼が何をしゃべっているか全然わからない。以前の仕事でだいぶ各国の訛りには慣れているつもりだけど、彼がしゃべる英語については単語や言い回しの意味自体を理解できなくて、会話もよく分からない感じで終わってしまった。このインド人男性の英語は実はアメリカ人でさえよくわからない田舎くさい言い回しが多いということがわかったのはそれから3か月くらいして、クラスメイトと打ち解けた噂話の場でだ。
 その日は時差ぼけの気だるさも残っていたのと、思いがけずクラスメイトと会話できなかったショックが重なって、オリエンテーションが終わると逃げるように下宿に戻った。

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クラスメイト。英語力に対する劣等感に押し潰されそうだった。

日記(2/13の週)

2月13日(月)

・朝は8:40からのストラテジーの授業。なんと3週連続で5P。。睡眠時間4時間ちょっとで朝起きてこの授業だと起きる気もなくなってくる。
ファイナンスの授業はケースで課題の提出があったので、スパの授業の後に、ファイナンスの教授のオフィスアワーへ。
・フィナンスの教授は、ジョンソン卒で、ウォールストリートで働いてからホテルスクールに来た少し変わった経歴の女性。授業ではいかにもスノビッシュなバリキャリ女性という感じを受けたけど、オフィスアワーではとても親切に教えてもらえた。
・課題は、お昼を抜いて提出時間ギリギリまで微調整して提出。
・提出後は燃え尽きて家に帰って仮眠。
・夜7時くらいから図書館に行って2時頃帰宅。

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2月14日(火)
・行動ファイナンスから。例のイケメン教授は今日はペリエを飲んでいた。
・Financial Statement Analysisは図書館の司書の人が来て、プロジェクトの資料集めについて説明してくれた。コーネルでは、司書の人が授業の一部を担当することがちょくちょくある気がするけど、司書の方は皆さんとても優秀で、学生が個人的に調べていることについて結構深いインサイトをくれたりする。
・夜はクラスメイトとカレッジタウンの日本食レストランへ。いわゆるアレンジ系の日本食なので今まで避けてたけど、試しにチャレンジ。味は、うーん。もう来ることはないかな。
・夕食後は図書館に戻って2時頃まで勉強。
・以前のポストでコーネルはトップレベルではないと書いたところに少し反応があったので補足。あくまで体感値で教授と学生のレベル感を見たときに、コーネルは本当のトップではないうのが正直な感想です(もちろん、一部で優れている分野があったり、逆にそうでない分野もあるのは承知で、あくまで全体の体感値です。)。日本、アメリカのような先進国では基本的にその国の学生はその国の大学に入学するので、アメリカのランキングにおけるコーネルの立ち位置からすれば、コーネルの学生のレベルがアメリカ全体の中で早慶〜マーチあたりの位置付けという個人的な体感値もそれなりに妥当ではないかと思います。それにアメリカだと州立大学の旗艦校(イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校、コロラド大学ボウルダー校など)にトップレベルの学生が入学するのでそこを差し引く必要もあります。ただ、大学の予算規模や寄付額になるともうアメリカの大学はぶっちぎりで、日本の大学など足元にも及ばないのはもちろんです。日本人としてはアメリカの大学というと無条件に優れているものと思いがちですが、もちろん大学自体は優れている点が多いものの、学生のレベルが高いということではないので、留学前にその点は注意が必要かなと思います。
・個人的に不満なのは、コーネルはthe best schoolではなくone of the best schoolsであるにも関わらず、意外と教授・学生の間では強烈なエリート意識を持っている人が多い様に感じることです。この記事(Elite, Not Elitist | Candid at Cornell)を読んでコーネルに憧れていたのですが、今の大学の雰囲気はちょっと記事とは違うというのが正直な感想です。

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2月15日(水)
・おなじみの朝8:40からのストラテジー。眠い。。
・Spaの授業は、今日はコンサルティング・プロジェクト先に送付する質問事項を教授と学生でcompileするという時間だった。正直、takeawayがない非生産的な時間。。
・明日の行動ファイナンスのケースの準備が思いの外重く、授業の間は準備に時間を費やす。。
・夜は北部キャンパスのダンスの授業へ。だんだんステップが難しくなってきたから気合を入れないと。

2月9日(木)
・朝は行動ファイナンスから。ケースが難しかったからか、発言者も数人に限られてた。他の人はどれくらいの理解度なんだろう?ファイナンス英語の専門用語が難しいだけで内容は実は難しくないとか・・・?
・午後はHRの後、NYCへのマスタークラスに出発!スタットラーホテルからチャーターバスにみんなで乗り込む。
・バスの中では騒いだり、寝たり、それぞれ思い思いの方法で過ごす。しかし、バスだとマンハッタンまで丸々四時間半かかるから長い。(自家用車で行く場合、三時間半ほどドライブしてNY郊外のフォート・リーだったりメトロ・ノース沿線まで行ってからパーク&ライドするのが一般的なので、体感時間は短いのです。)
・私は車酔いをしてずっと横になってました。。
・今日はミッドタウンのフォーシーズン泊(宿泊代はフォーシーズン負担で無料!)。
・クラスメイト何人かと、ラーメンを食べに行ってから、2時頃就寝。

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2月16日(金)
・朝食はフォーシーズンのケータリングを食べつつ、今回のコンサルティング・プロジェクトの内容を聞く。内容はclosedとのことだけど、とても興味深い内容だった。
・オープンな情報でも面白い話がたくさん。例えば、NYCのホテルは労働組合の力が強くて、時給がシェフが35ドル、ハウスキーパー32ドル、ポーター平均50ドル(!!)という驚異的な人件費がかかってるそう。驚いたのは、それはフォーシンズンズのようなアップスケールのホテルだけでなく、給与はだいたいバジェットホテルも同じような値段ということ。
・お昼は社員食堂を使わせてもらう。魚もあってがあって美味しい!
・アメリカでは魚は本当に貴重。ありがとうございます:)
・午後はダウンタウンのフォーシーズンズにsubwayで移動。ホテル部分やレジデンスを案内してもらう。
・レジデンスからのマンハッタンの眺めはさすが。値段はopenでないらしいけれど、ちょっと人生を考え直したくなる値段でした。
・今日は盛りだくさんでかなり疲れたけど、まだイベントは続く。
・ディナーは卒業生が経営するレストランのプライベート・ルームを貸し切りディナー。代金は50%ディスカウントとのことだけど、残りの50%はコーネルの授業料のactivity feeから払われるとのこと。え、ということは、NYCに来なかったクラスメイトも多いけど、その人たちは結構損しているのか。そういうアナウンスはなかったので、ちょっと不公平じゃないかなあ。
・料理は美味しく、アルコールも入ってお腹も満腹でふらふら。。
・クラブに繰り出す人も一部いたけど、眠すぎたので大人しくホテルに帰ってベットに直行。12時頃就寝。

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2月17日(土)
・朝はユニオンスクエアでカフェをオープンした卒業生の話を聞きに行く。
・しかし、10人くらい時間に遅刻。。
・アメリカの学生って、授業にはびっくりするぐらいpunctualなのに、授業外のビジネス・アポイントメントには平気で遅刻することが多く、日本人的感覚だと逆でしょ、って思う。。
・お昼はタイムズスクエアのいかにも観光スポットっぽいレストランでお昼。量が多くて眠気が。。
・移動は主にUber。早いし、大人数だと値段も安い。場所にもよるけど、マンハッタン内の移動は二人以上だったら基本的にはUber、一人でも近くだったらUberという人が多いんじゃないかな。
・午後はチェルシーに移動して、レストラン開発のPEファンドを経営している卒業生の会社を訪問。
・この会社みたいな、ホスピタリティ関係の産業の厚みはさすがアメリカだな、という感じ。うとうとしつつも、何点か質問をした。
・マスタークラスはこれで終了!解散して即イサカに帰る人が大半だけど、火曜日まで休みなので旅行に行く人もちらほら。私は明日からマサチューセッツ&ロードアイランドに旅行に行くので、今日はアッパーウエストサイドの友人宅に泊まります。
・寒かったNY州も、今日は春の陽気で最高で摂氏15度。チェルシーをぶらぶらするのもとても気持ちいい。
解散後は、ブックオフ紀伊国屋で授業関係の本を探したり、日系スーパーで調味料を調達したり、在米日本人のゴールデンコースを辿ってから、友人宅に向かう。

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2月18日(日)
・今日はボストンへ向かいます!
・移動はアムトラック。バスは車酔いするので必然的にこれに。事前に予約したので、65ドル。バスと比べると高いけど、快適なので我慢。
・ペン・ステーション始発。電車が直前までどこのtrackに電車が来るかわからないから、出発ちょっと前からコンコースで電光掲示板を眺める。trackが決まった瞬間、trackに向けてダッシュ!多くの乗客が同じことしててプラットホームは大混乱。笑
・電車の中では本でも読むつもりだったけど、心地よい揺れで爆睡。気づいたらNew Londonのあたり。
・Providenceで半分くらい降りた。
・ボストン・バックベイに到着!駅からはUberで今日の宿へ。今日はHBSから歩いて10分の一泊40ドルの安宿。本当にボロかった。笑
・宿で仮眠してから、ケンブリッジへ。ボストンも暖かくて、夕日がとても綺麗。
・いい気分で歩いてたら、とある会社のインターン電話面接のinvitationが!しかも、今日か明日に面接を受けなくちゃいけないらしい。今日受けるのはもう無理なので、ハーバードスクエアのスタバに駆け込み、明日の面接に向けて予習。
・夕ご飯は、ボストンに留学中の元職場の同僚とその婚約者とお寿司。安いし本格的なお寿司でとても美味しかった!

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2月18日(月)
・朝起きて、電話でインタビューを受ける。
・質疑自体は普通にできたけど、もう少しリーダーシップとか具体的なattitudeをアピールしても良かったなあ。どうしても英語だと質疑自体とか話の分り易さに注力してしまう。
・インタビューの後は、BUの近くまで出て、美容院に。日本人の美容師さんがいると聞いていたので、予約していたんです。
・料金も良心的だったしとても腕のいい方だったので、NYCで切るよりボストンで切って正解だった。
・その美容師さんは、お客の8割が日本人とのことだったけど、NYCの日系サロンはローカルの方が多いところが多い印象だったので、少し意外だった。
・お昼はこれまたボストン留学中の知り合いと牛角へ。食べ放題で35ドルはアメリカでは激安だと思う!美味しかった〜
・食後はレンタカーを借りて、Cape Codへ!今回の車はVWのJetta。iPhoneとの連携もいいし、運転し易い。
・Cape Codの先っちょProvidence Townまではぐるっと半島を回らなくてはダメなのと、制限45マイルの一般道を通るので、少し時間がかかる。。
・半島にたくさんある灯台は、ザ・ニューイングランドという感じで良かった。
・今日の宿は、ロードアイランド州の州都プロビデンスAirbnb。夜9:30頃着、部屋の鍵がかからないのはセキュリティ的にどうかと思うけど、一泊30ドルにしてはとても綺麗な部屋で良かった。

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2月19日(火)
・午前中は、以前から興味があった分野を研究されているブラウン大学の教授とのアポを取っていたので、ブラウン大学のキャンパスに向かう。
プロビデンスはコンパクトに纏まっているけど都会だし、過ごしやすそう。
ブラウン大学は街中にあって、学生街もしっかりあるし建物も綺麗だし、コーネルよりかなり環境は良さそうだ。
・教授からはかなり面白い話を聞けた。
・アポの後は学生街やキャンパスを散策して、お昼にメキシカンを食べる。
・食後はいよいよイサカに向けてドライブ。帰りには、アマーストに寄る予定。
アマーストは街が綺麗と聞いていたのと、内村鑑三の本に登場していたので、一度行ってみたいと。
アマースト・カレッジは、ブラウンに負けず劣らずの美しいキャンパスだった。丘の上に立ってるのも、内村鑑三の本の描写のそのままで感動!
・リベラル・アーツだからか、コーネルやブラウンのように研究棟は大きくないかもしれない。
ダウンタウンは小さいけれどセンスのあるお店が多い。規模的にはイサカよりも小さい!でも、こんなところで学生生活を過ごすもの悪くないな。
アマーストからは、イサカまでひたすらドライブ!夜11時頃帰宅。ルームメイトも既に帰宅していた。

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ブラウン大学

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アマースト・カレッジ

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アマーストダウンタウン

 

日記(2/6の週)

2月6日(月)
・今日はスパの授業から。日曜日に深夜までリーディングをしてたから眠い。
・授業でやるコンサルティングプロジェクトの説明。今日はシカゴ近郊のジュネーブという町にあるリゾート・スパのプロジェクトについて、スカイプで依頼者から説明を聞く。
・内容的には、単純なマーケティングのプロジェクトのようだ。今日のプロジェクトをやることはないかな。
・お昼は一旦帰宅してカレーを作る。食後は仮眠。
・午後はファイナンス。やはり授業は簡単。ただ、来週締め切りのケースの課題があるから取りかからないと。
・授業後は図書館に直行して、ファイナンスのケースを読み始める。うむむ、よく分からない。。誰かに聞くしかない。
・夜2時頃帰宅。

2月7日(火)
・朝からすごい雪。寒すぎて大学行くのが辛い。
・今日は行動ファイナンスから。先週ドロップしようと思ったけど思い直して今週から行くことにした。
・すごい雪だけど、何もなかったかのように普通に授業開始。特に遅れてくる人もいない。
・教授は、学部プリンストン卒、PhDをイェールで取って弱冠30歳にしてコーネルassistant professorという輝かしいキャリア。そしてベビーフェイスのイケメン。
・授業後は一緒に取ってる韓国系アメリカ人の女の子とその教授の噂話をして暇つぶし。やっぱり、英語の練習にはアジア系アメリカ人と話すに限る。
・夕方はHR。突然教授が統計の用語を突然使い出して、全くよくわからなかった。
・教授は「統計を忘れてる人が多くて困る」「数学に弱い人は大変だね」みたいな小言をたくさん言ってたけど、そもそも統計学と数学は違うし、アメリカでも統計は必修ではない気が…
・HRの後は図書館に寄ってから帰宅して仮眠。再びちょっと勉強してからジムでサルサ
・スーパーに寄って12時頃帰宅。

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2月8日(水)
・朝は8:40のストラテジーから。今日はAppleの戦略について5Pのフレームで語るという授業。
・正直、ありふれた題材だしディスカッションはとてもつまらない。教授も何かインサイトをくれるわけでもないし。
・Spaの授業は今日はUpper State New Yorkでスパを経営してる方がゲストスピーカーに来てくれた。
・ただ話自体は率直に言ってとてもつまらなかった。。。このプロジェクトもないかな
・夜はラテンダンスの授業。授業のオーガナイザーの学部生が授業に慣れてきたからか、ちょっと休憩時間が長くなってきた気が。。ダンス自体はとても楽しい。トルコダンスとかイメージなかったけど、運動にオススメ。
・その後図書館に寄って2時くらいまで勉強。
・図書館を出たらまさかの吹雪。凍えそうになりながら帰宅。

2月9日(木)
・行動ファイナンスから。この授業でも来週に提出の課題があるから大変。
・いつものように一通りの授業の後は、来週のNYCへのスタディトリップの打ち合わせ。久しぶりにイサカを脱出できるからとても楽しみ。
・スタディトリップでは行きのバスの中でもアイスブレークの企画を担当することになった。何しよう??
・夜はファイナンスのTAセッション。かなり早口な中国系アメリカ人のTAが丁寧に質問に答えてくれる。
・TAセッションの後は図書館へ。2時頃帰宅。やっと週末だ!

2月10日(金)
・午前中は疲れがたまってたので寝貯め。。
・午後から、HRの統計レビューセッション。しつこく「レビュー」というあたり、教授の意図を感じる。。
・レビューセッションは、学部生も来ていた。秋学期に同じ授業をとって仲良くなった黒人の女の子も彼氏と一緒に受けていた。
・レビューセッションは正直分かりにくかった。微積について話していたので、「そこのΣのkは〜じゃないですか?」と質問したら「I am not into Math...」という答え。。この教授は正直よくわららない。
・教授の質という点では、個人的にはコーネルのホテルスクールは大したことがないと正直思ってます。日本でいうとマーチレベルと同等レベルのイメージを持っています。もちろん、ホスピタリティの分野ではそれなりの地位なのでしょうけど。。
・レビューセッションの後はStatlerホテルのバーで打ち上げ。思ったより来てる人が少なかった。1/8くらい?
・その後、図書館に行って2時頃帰宅。

2月11日(土)
・午前中は二度寝してだらだら。
・午後からシラキュースにドライブ。久しぶりの都会だ!
・シラキュース大学の近くのお店に入ったり、魚屋さんでSushi gradeのサーモンを買ったり。(イサカでは生食できる魚を定期的に売ってるお店はありません。)
・夜は同じアパートに住んでる中国人クラスメイト主催のdumpling party。早めに始めたから8時頃お酒が尽きてしまった。
・トランプをしたり、雑談したりして10時頃解散

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2月12日(日)
・朝から図書館へ行き、来週の予習。
・月曜提出のケースが思いの外ワークロードが重くて、夜の3時頃までひたすらエクセルと格闘。
・それ以外に特に面白いことはなし!

日記(1/30の週)

 

コーネルでリアルタイムで経験したことも記録に残したいと思ったので、日記もブログにアップすることにしました。日記は単にその日にあったことの記録として活用できたらと思いますので、読みにくいかもしれませんが、ご了承頂ければと思います。

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1/30(月)

・春学期が始まって2週目。
・とにかく寒い。。大学に流れてるgorgeを見たら川がほぼ凍ってた。
・月曜日8:40からのストラテジーはきつい。
・ストラテジーは外部環境の当てはめを延々と議論するだけ。教授いなくてもいいような。早起きしてこれは辛い。ウェーブしたかった。。
・Spa and Wellnessはスパの歴史の講義から。最近は新しいビジネスになっているようで面白そう。単に日本のスパを横展開するだけでも正直儲かりそうだけど。
・お昼は一旦帰宅。家でラーメンを作って食べる
・Entrepreneurial Financeは最初は簡単そうだ。予習しなくてもついていけるレベル。
・授業後はラウンジに寄って、図書館に。夜1時頃帰宅

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1/31(火)
・授業はお昼のFinancial Statementから。中国系の先生で説明がシャープ。
・Human Resourceは相変わらず先生がHR divisionに対する文句を言う授業でこの先どうなるのか。。
・授業後は一旦家に帰って夕食を食べて、FinanceのTAセッションへ。TAセッションは説明が早くて有益かどうかは…
・その後北部キャンパスのサルサのクラスへ。結構初心者向けだから他のダンスを取ろうかな

2/1(水)
・朝一のストラテジーから。今日はポーターの4Pをひたすら当てはめ。これはきつい。。今日も人が減っていた。
・Spaはコンサルティングプロジェクトについて説明。マンダリンのプロジェクトはどれも面白そう。とても楽しみ
・Financeは今日も簡単。
・授業後は秋学期のCommunciationの先生の家のホームパーティー。
・カユガ湖のほとりにあるいい感じの家。こんなところに住んでコーネルの教授するとかいいな〜
・他の教授も結構来ていた。
・ホームパーティーを途中で抜けてラテンダンスのクラス。今日はトルコダンスの日。こっちの方がソロダンスだから自分のペースで動けて運動になりそうだし、いろんな国のダンスができて面白そう。

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2/2(木)
・お昼にCIPAの日本人とお昼。
・それ以外は特に珍しいことはなし。
・図書館で勉強して夜12時頃帰宅。

2/3(金)
・朝はProfessional Development Program。
・ホスピタリティの人材紹介をしているアラムナイがネットワークの大切さを熱く語っていた。正直聞き飽きた話であまり有益ではなかったけど、ネットワークをもっとしようというモチベーションは上がった。
・お昼はクラスメートと韓国料理屋へ。ランチスペシャルは安い!
・午後はInternational student向けのProfessional Development Program。
・中国人の去年の卒業生でNYCで働いてる3人が来て少人数で話した。かなり感じのいい人たちで楽しかった。
・NYCで就職した卒業生でもそれほど英語力が高くなくて驚いた。
・やはりH1Bビザは大変なようだ。
・家で夕食を食べてからクラスメイトとLansingのカラオケへ。途中から合流する人もいて最終的には20人くらいになった。
・夏や秋学期にやったカラオケより、アメリカ人クラスメイトのカラオケに対するノリが上がったからか、かなり盛り上がった。
・夜1時頃帰宅

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2月4日(土)
・朝はコーネルの保健センターへ。右手の中指の凍傷したところが膿んで治らなかったからdoctorのところに見てもらうことにした。
・doctor曰く、指に細菌が入ってるとのことで、塗り薬を処方してもらう。
・下の薬局で薬をもらう。保健が適用されて7ドル。こんなに安いとは知らなかった。
・処方箋も電子的に薬局まで送ってもらえるのでかなり便利。
・薬局の後は図書館へ。
・夕方からはfinanceの教授のところでディナー。50後半のユダヤ系女性。
・いろいろ面白い話を聞けた。シンガポールとホテルスクールのジョイントプログラムは、シンガポール側にホスピタリティ学を教えられる教授がいなかった上に、学費がかなり高額になったから失敗した、らしい。本当か?
・教授の書けないような個人的な話とか、どの教授がかっこいいとか、バカ話もして久しぶりにアットホームな雰囲気に。

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2月5日(日)
・午前中は家で溜まったポットキャストを聞いたり、新聞を読んだりしてだらだら。
・クラスメイトのウクライナ人から「ノートをコピーさせてくれ」とWhatsAppのメッセージが来たので、渋々大学へ。
・そのクラスメイトは、masterでは最年少の22歳女性。かなり年下なので正直甘くなっているのもあるけど、貸借りということで、今後ノートを見せてもらえたりする可能性もあるので、基本的に人に頼まれたら取り敢えず応じておく。
・その後は図書館でケースを読んだり、インターンの求人に応募したり。
・夕方からはルームメイトの車でスーパーボールを見に行く。
アトランタ出身者が二人居てボストン出身者は居なかったのでファルコンズを応援する空気に。私は実はトム・ブレイディのファン(にわか)なので大人しくしている。
・途中でファルコンズの圧勝ムードだったので、トム・ブレイディのファンであることを公にしてペイトリオッツを応援開始。
・しかし、途中でまさかのペイトリオッツの逆転&延長で勝利。気まずい空気にwww
・とてもいいゲームだったし、初めて米国でスーパーボールを見れたので満足して帰宅。

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宿泊業の生産性について(メモ)

米国の宿泊業の生産性について聞かれることが多いのでコメントしておきたいと思います。
まず、生産性という指標ですが、ビジネスサイドを勉強するホテルスクールで議論になることは殆どありません。なぜでしょうか?一言で言うと、従業員数にことさらスポットを当てた指標はホテル経営上あまり意味をなさないから、と言うことができると思います。*1

日本生産性本部によると、(労働)生産性は以下の式で表されます。

価値労働生産性=生産額÷従業者数

そして、米国の宿泊業の生産性が100だとすると、日本の宿泊業の生産性は34にとどまるとしています。

この指標については、3つの意味で日米の比較にも向かないと個人的は考えています。

一つ目の理由は、日米では宿泊業の構造自体が異なることです。米国では宿泊業と言っても最も労働集約的な部分はアウトソースされていることが殆どです。他方、日本の場合は小規模な事業者の場合、自ら運営する場合が多いと考えられるので、従業員数は多くなり、生産性が低くなっていると思われます。

二つ目の理由は、日米では賃金の水準が異なるからです。日本ではよく誤解している方もいるのですが、米国の賃金水準は日本よりもかなり高いです。(例えば、NY州やCA州などの最低賃金は15ドルとなることが2016年に決定。)そのため、経営側からすると可能な限り従業員数を抑える方向になりますが、日本のように賃金の安い(安くなってしまった)国であれば経営上従業員数を抑える必要性は米国よりは高くありません。このように、人件費が異なるのに従業員数を日米で比べる意義は薄いと思います。極端な例ですが、安価な労働力が豊富なインドと日本の従業員数を比べるのに意味がないと言えばイメージして頂けると思います。(仮に比べるとしても生産額÷人件費とすべきでしょう。)

三つ目の理由は、生産性という指標にはサービスの質については直接は考慮をしていないからです。つまり、乱暴な議論をすれば、最も簡単に生産性を上げるためには従業員を減らせばいいわけですが、それは議論の本質でしょうか?

では、なぜこのように生産性に日米の差が生じているのかというと、日本の消費者の要求水準が高いからかもしれませんし、日本の宿泊業は小規模な家族経営が多い為、従業員数は経営上の問題にならない可能性もあります。また、そもそも売り上げが低くても家族経営でコストは殆ど掛からない為、利益がギリギリ出ていて事業として回るならいいということもあるかもしれません。労働力の需給も関係があるでしょう。理由は様々あると思いますが、いずれにしてもマクロ的な問題であって、経営の効率化の問題ではない可能性も大いにあると思うのです。

とは言っても、生産性という指標の是非を離れれば、特に小規模な事業者が多い宿泊業の経営の効率化や、労働力不足への対応は大きなイシューだと思いますし、労残りの期間でヒントになるようなものをたくさん日本に持って帰りたいと考えています。

*1:経営の効率化は、最終的にはROEROAの比率を上げることが目標ですが、議論を単純化するためにROAに絞って考えたとしても、ROAを向上させるのには利益率を向上するのと、資本回転率を向上する二つの方法があります。生産性が拠り所にする従業員数はそのうち利益率にのみ関係する指標ですが、資本回転率を上げてROAを上げるという戦略もあります。利益率を上げるか資本回転率を上げるかどちらがいいという問題ではないため、ことさら利益率の位置構成要素である従業員数に注目して生産性を論じる意味はあまりないのだと考えています。

ホテル産業(北米中心)の概観

今回は、ホテル産業について概略を紹介したいと思います。ただ、私自身が北米のホテル産業での実務経験があるわけではないため、コーネルホテルスクールでの授業において、ホテル産業の概略として説明された部分の紹介ということで、誤りや理解が浅い点があり得ることを予めご了解ください。(内容は浅めです。。)

1.ホテル業界のプレイヤー
例えば米国に旅行されたことのある方は、空港の近くにマリオットやヒルトンなどが複数のサブ・ブランドのホテルを展開しているのを目にされたことがあると思います。しかし、北米について言えば、マリオットのようなブランドのホテルを実際に所有しているのは、多くの場合マリオット自身ではありません。マリオットは単にブランドだけを提供して、ホテルの所有権は別のオーナーがいることが殆どです。また、ホテルを実際に運営している会社も、別に存在しています。そのため、既に出来上がっているホテルでは、ざっくりと「ブランド」「オーナー」「運営会社」が主要プレーヤーと言うことができます。(本当にざっくりとした説明です。)

2.ホテルブランド
(1)ブランド率
現在、世界には500以上のブランドがあると言われています。特に北米では全ホテルに占める(メジャー)ブランド率が約7割にもなっています。
他方、北米以外に目を向けると、ブランド率はアジアでは5割、ヨーロッパでは4割にとどまっています。しかし、地域に依らず、新規に建設されるホテルは高い確率で何らかのホテルブランドを背負っています。

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地域別のブランド率(STR Global, Dec 31, 2014)

(2)ブランドの利点
ホテルの開発サイドから見たブランドと契約するメリットとしては、(1)ブランドの予約システムを通じて集客が見込めるため、投資を得やすくなること、(2)ホテル建設・運営に当たって、ブランドのノウハウを活用することができる、ということがあります。

(3)ブランドの歴史
北米でブランドの先駆けと考えられているのは、スタットラー・ホテルです。ホテルの部屋のや水回りの配置を売り上げを極大化するために効率化し、その建築・運営ノウハウを横展開しました。この建築・運営ノウハウの横展開というビジネスモデルがホテルブランドビジネスの原型です。これ以降、建築・運営のノウハウという意味では、細かいイノベーションはあるものの、基本的にはスタットラーのモデルが他のホテルにも継承されていきます。
最終的にはスタットラーホテルはヒルトンに買収されたのですが、スタットラーがコーネル・ホテルスクールの設立に資金面で大きな貢献をし、スタットラーの死後は、スタットラー財団がホテル・スクールの(educational)ホテルという位置付けで、ホテルスクールに隣接させてスタットラーホテルを建設しました。

(3)北米の主要なブランドグループ
以下が北米の主要なブランドグループです。ブランドグループ内で、それぞれ予約システムやポイント制度を構築して顧客を囲い込んでいるため、航空や海運業ののアライアンスに近いイメージです。高級ホテルが中心のハイアット・ヒルトンから、超高級ホテルのラッフルズからエコノミーホテルのイビス抱えるアコーホテル、低価格のモーテルが中心のチョイスホテルまであり、ブランドグループの戦略は各ブランドグループでかなり異なっています。詳しい説明は適宜wikipediaをご覧下さい。

・アコーホテル
ヨーロッパ発祥のホテルチェーン。関西に縁のある方は、なんばのスイスホテルは馴染みがあると思います。他には、ラッフルズ、メルキュール、ノボテル、イビスなど。

・ヒルトン
抜群の知名度を誇るヒルトン。ハンプトンインやホームウッド・スィートなども。

・ハイアット
パーク・ハイアット、グランド・ハイアット、ハイアット・リージェンシーなど。

・IHG(InterContinental Hotels Group)
日本では全日空ホテル関係で有名です。クラウン・プラザやホリデイ・インなども。

・マリオット
各種マリオットブランド、そしてリッツ・カールトンをブランドに持っています。

スターウッド
シェラトン、ウエスティン、St.Regis、Wをブランドとして持っていますが、2016年にマリオットに買収されました。

・カールソン・レジドール
日本ではあまり見かけませんが、ラディソンやCountry Inn and Suitesを展開。

・チョイスホテル
こちらも日本ではあまり馴染みがありませんが、北米の幹線道路沿いにかなり多く展開しているエコノミーブランド・グループです。個人的にも、米国内のロード・トリップでよくお世話になっています。主なブランドはスリープイン、コンフォートイン、クオリティーインなど。

ウィンダム
北米を中心にラマダやデイズ・インのブランドのブランドを展開。

4.ホテルのパフォーマンス指標
広く使われている指標は、空室率、平均客室単価(Average Daily Rate, ADR)、RevPAR(Revenue Per Available Room)です。
空室率、平均客室単価はそのままの意味ですが、RevPARはホテル業界以外の方には馴染みがないと思います。RevPARは平均客室単価に空室率を掛け合わせたもので、ホテルの収益性を理解する上で便利な指標です。

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米国・カナダにおける空室率、平均客室単価、RevPAR

(1)RevPARについて
具体的にRevPARが指標として便利な場面を見ていきたいと思います。

ホテルの運営サイドから見た時に、例えば日本であれば、ホテルの客室を旅行代理店が予め抑える、というような契約が行われることが多いです。その際に、一室あたりいくらで契約をすればいいかという計算にRevPARを使うことができます。単純に計算すると、ホテルの部屋の売り上げに期待空室率を掛け合わせた額を上回る額であれば、借り上げ契約でホテル側は得をするということになります。この「ホテルの部屋の売り上げ」×「期待空室率」がRevPARです。つまり、旅行代理店の借り上げの契約は、旅行代理店からRevPAR以上の金額を得られればホテル側は得をすることになります(注)。

また、ホテル業界をマクロ的に見る際にも、例えば新聞などでは空室率が用いてホテルの需給関係が語られることが多いですが、本来はRevPARも検討に用いるべきです。なぜなら、空室率が低いのは客室単価が低いため、需要が増えていることが原因である可能性も大いにあるからです。仮にその場合には客室単価が低くなっている理由も考えるべきで、ホテルの客室数だけを見ると実態を見誤ることにもなりかねません。

(2)世界の都市の空室率、平均客室単価、RevPARについて
また、最近では日本では東京や大阪・京都のホテル不足の議論がされることも多いです。それらの地域で宿泊需要が高いことは事実ですが、他方で、世界の大都市と比べると、東京については、空室率はNYC、ロンドンと比べて著しく高いという訳ではないこと、また平均客室単価については、東京・大阪は世界の大都市と比べるととても低いことがわかります。

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世界の大都市の空室率、平均客室単価、RevPAR(Savills World Research Japan, Aug 2016 )
(注)日本で見られる旅行代理店の借り上げ契約について
なお、厳密には旅行代理店との借り上げ契約はRevPARを下回ることが多いです。しかし、そのような契約は必ずしもホテル側の損とは言えません。なぜなら、仮に旅行代理店との契約をしなかった場合は、現実的には、多くの顧客はエクスペディアなどのオンライン予約を利用することになり、ホテル側はエクスペディアにマージンを支払う必要があるからです。エクスペディアのマージンは、20%-30%と言われています。なので、RevPARから、仮に顧客がエクスペディアを利用した場合のエクスペディアのマージンを引いた額が、借り上げ契約の適性額と言うことができます。つまり「その部屋が生み出す売上」×「空室率」×「仮に顧客がエクスペディアを利用した場合にホテル側が支払う必要のあるマージン(20%-30%)」が借り上げ契約の適性額になります。

学生の立場から見たホテルスクール

以前の記事で、ホテルスクールの学問領域自体は他の学部で研究されていることも多いということを書きましたが、学生の立場から見たときに、ホテルスクールにどのような魅力があるかを考えてみたいと思います。

---ホスピタリティ業界に進むクラスメートに出会える---

一番大きいのは、やはりクラスメートの出会いでしょう。MBA教育の盛んな米国でも、例えばファイナンスに強いMBAやTechに強みを有するMBAはあっても、ホスピタリティ産業に特化したビジネススクールというのはやはり特殊です。同じ業界に対して関心を有している同級生と、俗世から隔絶されたイサカ(笑)でじっくり勉強できるのはこの上なく贅沢なことだと思いますし、個人的にも大きく刺激を受けています。

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田舎であるが故、同級生との距離は非常に近い。写真はクラスメートとのホームパーティーの様子。

他方、同じくホルピタリティ業界に興味があると言っても、個々のキャリアを細かくブレークダウンしていくと、実はそれぞれ結構異なる分野に興味を有していることもわかります。

例えば、2015年のMaster of Management in Hospitality(MMH)の卒業生の主な進路は以下のようになっています。

Food & Bevarage including Restauarant (7)
Revenue Management(4)
Real Estate(7)
General Management(1)
恐らく、一般の人がホテリエとして思い浮かべるGeneral Managementに卒業後直接進むのは、実は一人しかいないという意外な結果になっていました。ただ、米国ホテル業界のキャリアパスとして、Revenue ManagementやReal Estateで経験を積んでからGeneral Managementに進むということがむしろ一般的なので、ここでの結果自体は実はそれほど驚くべきことではありません。
むしろここで注目したいのは、そこに至るまでのキャリアで必要とされる知識の違いです。主な進路であるFood & Bevarage, Revenue Management, Real Estateはそれぞれかなり学ぶ内容が異なっているため(具体的には以前の記事を御覧ください。)、同じホスピタリティ業界といっても、ファンクション別に見ると学生はかなり異なったこと興味関心を抱いていることが分かります。この点は、戦略コンサルや投資銀行IBD部門への就職が学生の主な関心であるTier 2以下のMBAとの違いだと思います。実際、ホテルスクールの学生が受ける授業の方向性は、ホスピタリティ業界の中で進みたいファンクションによってかなり異なり、それぞれの親和性もあまりないため、学生同士で授業を通して切磋琢磨という場面は実はあまり多くありません。
 
---ホスピタリティ業界で活躍するAlumniと出会える---
Alumniの強固なネットワークもホテルスクールの特色の一つです。在校生とalumniを結びつける仕組を学校としてしっかり整備していて、毎週、何らかしらのイベントがイサカで開かれ、Almniがキャンパスまで来て学生とランチやディナーをしつつ、キャリアについて直接アドバイスをしてくれます。
また、最近はホテルスクールとして、Entrepreneurshipに力を入れています。こちらも、毎週のように何らかしらのイベントが開かれ、alumniが学生の起業家に対してメンターをしてくれます。Pillsbury Institute for Hospitality Entrepreneurshipという専用の機関があって、Entrepreneur in residenceというメンターとの一対一の面談を学期中設定し放題であったり、学生の起業に対してかなり手厚い支援体制が整備されています。
Entrepreneurshipを盛り上げるための仕組みはこの他にもあって、例えばBusiness Plan CompetitionやPitch Deck Competitionなどに多くの学生がエントリーして、そのビジネスプランの内容を競っています。

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Pitch Deck Competitonで優勝したクラスメイト