コーネル大学・ホテルスクール留学記

コーネル大学ホテル経営大学院で学んだ記録です。

学生の立場から見たホテルスクール

以前の記事で、ホテルスクールの学問領域自体は他の学部で研究されていることも多いということを書きましたが、学生の立場から見たときに、ホテルスクールにどのような魅力があるかを考えてみたいと思います。

---ホスピタリティ業界に進むクラスメートに出会える---

一番大きいのは、やはりクラスメートの出会いでしょう。MBA教育の盛んな米国でも、例えばファイナンスに強いMBAやTechに強みを有するMBAはあっても、ホスピタリティ産業に特化したビジネススクールというのはやはり特殊です。同じ業界に対して関心を有している同級生と、俗世から隔絶されたイサカ(笑)でじっくり勉強できるのはこの上なく贅沢なことだと思いますし、個人的にも大きく刺激を受けています。

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田舎であるが故、同級生との距離は非常に近い。写真はクラスメートとのホームパーティーの様子。

他方、同じくホルピタリティ業界に興味があると言っても、個々のキャリアを細かくブレークダウンしていくと、実はそれぞれ結構異なる分野に興味を有していることもわかります。

例えば、2015年のMaster of Management in Hospitality(MMH)の卒業生の主な進路は以下のようになっています。

Food & Bevarage including Restauarant (7)
Revenue Management(4)
Real Estate(7)
General Management(1)
恐らく、一般の人がホテリエとして思い浮かべるGeneral Managementに卒業後直接進むのは、実は一人しかいないという意外な結果になっていました。ただ、米国ホテル業界のキャリアパスとして、Revenue ManagementやReal Estateで経験を積んでからGeneral Managementに進むということがむしろ一般的なので、ここでの結果自体は実はそれほど驚くべきことではありません。
むしろここで注目したいのは、そこに至るまでのキャリアで必要とされる知識の違いです。主な進路であるFood & Bevarage, Revenue Management, Real Estateはそれぞれかなり学ぶ内容が異なっているため(具体的には以前の記事を御覧ください。)、同じホスピタリティ業界といっても、ファンクション別に見ると学生はかなり異なったこと興味関心を抱いていることが分かります。この点は、戦略コンサルや投資銀行IBD部門への就職が学生の主な関心であるTier 2以下のMBAとの違いだと思います。実際、ホテルスクールの学生が受ける授業の方向性は、ホスピタリティ業界の中で進みたいファンクションによってかなり異なり、それぞれの親和性もあまりないため、学生同士で授業を通して切磋琢磨という場面は実はあまり多くありません。
 
---ホスピタリティ業界で活躍するAlumniと出会える---
Alumniの強固なネットワークもホテルスクールの特色の一つです。在校生とalumniを結びつける仕組を学校としてしっかり整備していて、毎週、何らかしらのイベントがイサカで開かれ、Almniがキャンパスまで来て学生とランチやディナーをしつつ、キャリアについて直接アドバイスをしてくれます。
また、最近はホテルスクールとして、Entrepreneurshipに力を入れています。こちらも、毎週のように何らかしらのイベントが開かれ、alumniが学生の起業家に対してメンターをしてくれます。Pillsbury Institute for Hospitality Entrepreneurshipという専用の機関があって、Entrepreneur in residenceというメンターとの一対一の面談を学期中設定し放題であったり、学生の起業に対してかなり手厚い支援体制が整備されています。
Entrepreneurshipを盛り上げるための仕組みはこの他にもあって、例えばBusiness Plan CompetitionやPitch Deck Competitionなどに多くの学生がエントリーして、そのビジネスプランの内容を競っています。

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Pitch Deck Competitonで優勝したクラスメイト