コーネル大学・ホテルスクール留学記

コーネル大学ホテル経営大学院で学んだ記録です。

授業紹介:Global Leisure Cruise Industry

米国のクルーズ産業について、マーケティング、レベニューマネジメント、オペレーション、デザイン、International busines policyの観点から学ぶ授業です。Royal Caribbean社(クルーズBIG3の一角)がスポンサーしていて、毎週クルーズ業界の実務家から話を聞くことができます。日本ではクルーズはそれほどメジャーではないではないですが、米国では温暖なカリブ海に近いことからそれなりにメジャーな産業になっていて(米国ガラパゴス的な状況と言えなくもないですが)、独特の産業構造から学ぶことも非常に多いです。

例えば、レベニューマネジメントの観点からは、クルーズはエアラインとは明らかに違う戦略を立てる必要があります。少し詳しく説明してみたいと思います。

最近、ユナイテッド航空のオーバーブッキングが話題に大きな話題になりましたが、エアライン座席やクルーズの船室は、ゲートが閉じてしまえば価値がゼロになるone time inventory(perishable inventory)です。また、特にエアラインの場合には、チケットを購入しながら実際には搭乗しない乗客も実は結構な数います。そのため、オーバブッキングをすることで、可能な限り価値がゼロになるinventoryを少なくするという戦略が有効です。ここで問題になるのがオーバーブッキングして現実に座席より乗客が多く空港に来てしまった場合です。そのような場合は、ユナイテッドのように引きずり出すまではいかなくても、オーバブッキングにより別の便に振り替えるボランティアを募集することは頻繁にあり、また、搭乗拒否をせざるを得ない例もあります。しかし、ボランティアや搭乗拒否をした乗客に支払う補償額によるマイナスは搭乗率上昇による収入に比べると微々たるものであるので、オーバブッキングが行われることが多いのです。(なお、これはホテルも同じです。)

前置きが長くなりましたが、翻ってクルーズ会社特定の例を考えてみたいと思います。第一に、クルーズはチケットは比較的安いことが多く(3泊の3食食事付きクルーズで350ドルの船室からあります。)、主な利益はアルコールや船内の有料レストランから来ています。なので、クルーズ会社は個々のチケットを値下げをしてでも船室を埋めたいインセンティブをエアラインよりも強く持っています。実際、ゲストスピーカーの一人も「場合によってはキャッシュバックしてでも船室を埋めたいこともある。」と言っていました。そのため、エアラインと異なり、クルーズは出航日に近づけば近づく程価格が下落していきます。(エアラインの場合は、出発日より前に比較的安く売って早めに座席を埋めてしまいます。これは、出発間際の安売りを避けるための措置です。)第二に、オーバーブッキングのインパクトの違いです。例えばクルーズに乗る乗客は休暇を前もって取って、さらに大部分はフロリダまで飛行機に乗ってやってきます。なので、no showは少ないですし、そもそもせっかく休暇を取ってフロリダまで来てみたらオーバーブッキングで搭乗できませんとなると、代替が比較的可能なエアラインと比べて、会社に対する社会的イメージの悪化はとてつもなく大きいです。

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先日は、この授業の一環で、クラスでバハマへのクルーズに行ってきました。船内のオペーレーションについて実地で学べただけでなく、普段あまり交流のないundergradの知り合いもできたので、純粋に楽しかったです。クルーズからイサカに帰ってきた直後には早速reunionが企画されていることも、socialで有名なホテルスクールらしいです笑

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